もはや若白髪ではない

そう、もはや、これは若白髪ではないのです。

私が首輪を付けられる日 2

私は、男の言う「大人の付き合い」の意味をはき違えていた。

お酒を飲んで、いい感じになれば、2人きりになれる所へ行く。

それを大人の付き合いと言うのだと思っていたのだ。

大人イコールお酒。酒盛り。

しかし、男から指定された待ち合わせ場所は、

某ショッピングセンターの駐車場だった。

さすがに、私でもお酒は無いなと気付いた。

そして、なぜか、みじめな気持になったが、私は約束を破る勇気もないから、

だったらと自分に、こう言い聞かせた。

 

「一度、みじめな思いをしてこい、私め」

 

出会い系で知り合った、本名も知らぬ男と

情事だけを目的とした愛のない数時間は、さぞやみじめだろう。

私は、あえて、自分にそのみじめさを課してやろうと覚悟して出向いた。

駐車場には、すでに男の車が停めてあった。

そのすぐ横のスペースに停車し、男の車を覗く込むと、

男は微笑みながら「こっちこっち」とまるで少年のような手招きをした。

 

男の姿は、暗がりでぼんやりとしか見えなかったが、

先日会った時に感じたのと同様、垢抜けた印象だった。

 

その数時間後、案の定みじめな思いで帰宅したかと思いきや、

私の全身は、余すところなく癒されていた。

気持ち良かった、という感想より、

癒されたという言葉が、ぴったりだった。

私は、男に抱かれて、

癒されたと感じた事は初めてだと、心の中で静かに驚いていた。