もはや若白髪ではない

そう、もはや、これは若白髪ではないのです。

デジャブな夜

女性向けエロ漫画の単行本が、30冊を超えてきて、

そろそろ、本を隠す場所も無くなってきた。

今、私が死んだら、遺品として、

タンスの中のエロ本も箇条書きされるかと思うと、ぞっとする。

今は、絶対、死ねない!

 

しかし、性欲にまみれながらも、不本気に貞操が守られている中では、

エロ本を、減らす事はできない。

私は、そんなに強くないのだ。

焦った私は、先日、

我ながら驚愕する、力技に打って出てしまった。

 

若い頃、飲み会で知り合った男性と、改めてデートした日、

食事をして、軽くお酒を飲んで、

「ちょっと歩こうか」と言われた時、手を繋いできたら、

(これ、今日、来るな)っと心の準備をしたものだ。

さて、どんな誘い方をしてくれますか?と待っていて、

もっともガッカリした誘い文句が、

「あぁ~なんか眠くない?ねみ~」だったのを覚えている。

もう少し、マシな誘い方があるだろーがと、思う訳だ。

 

ところが、先日の私ときたら、やってしまった。

私と彼氏は、そもそも、寝室が別だ。

きっかけは、彼のイビキがうるさいからという、私からの申し出で、

別々に寝る事になったのだ。

それなのに、性の奴隷と化した私は、

寝ている彼のベッドへ行き、まずは、横になだれ込んでみた。

これは、長いこと受け身専門でやってきて私には、かなりの勇気を要したが、

そんな若干ぎこちない私をしり目に、

彼は、「どうしたの?」と聞いてきた。

 

どうしたの?って聞いちゃう?

どうしたのって?

 

完全に想定外の問いかけだった。

なだれ込んだが最後、さすがの彼も野獣になる、

という想定しかしていなかった私は、

咄嗟に理由を、なだれ込んだ理由を、付ける必要があった。

そして、その場限りの苦しい言い訳を、口にしてしまった。

 

「いやほら、眠い~。あぁ~ねみ~」

 

これが、デジャブであってほしいと夢を見ながら、

私は手つかずのまま、清らかな眠りに落ちたのだった。