もはや若白髪ではない

そう、もはや、これは若白髪ではないのです。

言い過ぎた

きのう、父さんと大ゲンカをした。

お互い、自分には関係のない、

他人の相談事での大ゲンカだ。

 

目も当てられない程の、醜い屁理屈合戦の最中、

私は、落としどころを探っていた。

このまま、最悪なまま、終わらせてなるものかと思い、

私は、勝利を勝ち取るために、土俵を「昔の事」へと一気に移した。

そうやって、昔の事をほじくり返し、父さんを責めた。

こうなると、父さんは防戦一方にならざるを得ない。

 

私の子供時代を蒸し返そうにも、

父さんは、我が子の出来の悪さなんて見てなかったからだ。

仕事して、家で飲んだくれて、ちょくちょく怒鳴って、たまに殴る。

父さんの昔は、その繰り返しだ。

 

「父さんは、怒鳴っても気が済まんと、私を殴ったよな。

で、かばう母さんの髪を持って、引きずり回してただろ。

何が、死に物狂いで頑張ってきただよ。

仕事が上手くいかず、八つ当たって、

女子供に手を上げる、最低な男だったくせにさ。」

 

これで、私の勝ちが決まった。

「そんな事あったか・・・それは、すまん。」と謝る父さんに、

私は、両手を高く挙げ、ピースサインで、

「いえ~い、勝った」と、はしゃいで見せた。

でも、本当は、嬉しくなどなかった。