もはや若白髪ではない

そう、もはや、これは若白髪ではないのです。

一瞬よぎる、思い

隣で、姉ちゃんが、

「私の半生、幸せだったとは言い難いわ」と楽しそうに話していた。

いえいえ、あなたは、昔から、そして今も、ちゃんと幸せだと、

私には、そう見えるよ。

 

姉ちゃんは、望んだらピアノも習わせてもらい、

行きたい塾へ行かせてもらい、

目標もないまま、大学にも通わせてもらった。

 

私は、望んでもいないピアノを習わされ、

行きたい習い事は却下され、行きたくもない塾へ行かされ、

明確な目標があったけど、大学へは通わせてもらえなかった。

 

姉ちゃんは、結婚して家業を継いで、可愛い子供を授かった。

お金に困った時は、親の援助を受け、遊びたい時は遊んで、

また困った時は、親の援助を受けている。

 

私は、結婚も上手くいかず、子供も授かれなかった。

お金に困った時は、寝る間を惜しんで働いて、

それでも、まだ困った時は、金持ちの男に体を売り、弄ばれた。

遊びたいと思う余裕すらなかった。

 

姉ちゃんは、時々、文句や愚痴を言う。

当たり前だ。

誰だって、そういう時もあるさ。

 

私は、素直に、文句や愚痴を、誰にも言えない。

当たり前だ。

こんな私の話なんて、聞いてくれる人なんて居やしないのさ。

だって、

母さんですら、私を愛せなかったんだからさ。